引き合いに出す人の心理背景にあることは一体何でしょうか。他人の名前をやたらと出してコミュニケーションをとる人がよくいますが、何かと比較したい習性があるのかもしれません。
人間関係だけでなく「もの」も同じで、よいものを引き合いに出して比較することがあります。このようなタイプの人とは、ポイントをおさえて付き合うことがコツ。そこで今回は、引き合いに出す人の心理についてご解説しましょう。
引き合いに出す人の心理について
引き合いに出すというのは、比較対象のため何かを挙げるという意味があります。「○○さんはできるのに」と他人の名前を使って比較する場面。引き合いに出す人は、心理的に次のようなことが考えられるでしょう。
ライバル心がある
引き合いに出す人は、心理的に他人と競いたい願望があり、相手の思いとは関係なく勝手にライバル視する傾向も。自分のほうが有利でいたいために、何としても相手にアピールしたいのです。
物ごとをやたらと比較する人は、個体のよさを判断できない特徴がありますので、対人関係でも「周囲に好かれる人なら安心」「友人が少ない人とは付き合わない」といった独自の判断基準があるでしょう。
相手を刺激したい
引き合いに出す人は、心理的に相手の気持ちを刺激したい願望がありますので、場合によっては相手を不快にさせることもあるかもしれません。
たとえば仕事で失敗した時に、上司から「○○ちゃんはもっと早く仕上げてくれるよ」と第三者の名前を出されると、ストレートに指摘されるより不快な気持ちになりませんか。
ネガティブな気持ちになる瞬間、引き合いに出す人はわざと刺激しているからなのです。その理由はモチベーションを高めてほしい場合もありますが、習慣的に引き合いに出す人は相手の思いに気づかない部分もありますね。
自己表現が苦手
引き合いに出す人は、心理的に自己表現をどうすればよいのかわからない状態で、自分の思いとは反した言葉遣いや話し方になってしまうことがよくあります。
「そんなつもりじゃなかったけど」と後悔することもよくあるでしょう。気持ちを上手に相手に伝えるために、あらゆる表現をしているつもりなのですが、自分にとってわかりやすい手段を使うため、時には他人の名前を出して引き合いに出すこともあります。
言われた側が複雑な気持ちになるのは当然。しかしなぜ気分を悪くしているのか、全くわからない人もいるでしょう。
特別な思いがあるため
友人の恋人の名前を出して、自分の恋人を批判する場面。「○○の彼氏は、いつも時間ぴったりに着いているよ」と彼氏に言っても、実は逆効果かもしれません。
他人と自分は違うから、比較してほしくないと思うでしょう。この場合は引き合いに出す対象の人に、特別な思いを抱いている可能性があります。
友人の恋人が羨ましいため、ついぽろりと本音が出てしまうのです。あまりにも引き合いとして使われることが多い人は、普段からその人のことを考えている可能性が高いですね。
他人の視線を意識している
引き合いに出す人は、心理的に自分に向けられる他人の視線をとても意識しているので、自分の幸福よりも他人を幸せにするために苦労しています。
引き合いに出すということは、逆に自分も引き合いの対象になりたい願望があるため。それほど他人を見ているということは、自分も他者の興味の対象になりたい気持ちがあるからなのです。
引き合いに出された時の対処
子供の頃に「お兄ちゃんのほうがきちんとやってくれる」などと母親に注意されたことはありませんか。引き合いに出す人は、心理的に相手にメッセージを送っている可能性があります。
相手がどのような反応をするか待っているため、そんな時は次のポイントを意識して対処してみましょう。
スルーする
引き合いに出す人は、相手が嫌な表情になるのを楽しみに待っている場合もあるかもしれません。ゲーム感覚で他人の気持ちを刺激するタイプは、完全スルーしたほうが無難です。
引き合いに出すのは、あくまでもその人の価値観がベースにありますので、比較対象物に対して何とも思わない人もいるはず。反応してしまうことが相手の思うつぼなので、聞こえなかったふりをしてスルーしてみましょう。
未熟な人だと納得する
自分の気持ちを相手に伝える際に、他人の名前や成果を引き合いに出すのは成長していない証。他のものを頼って自分の気持ちを伝えているのと同じなので、そんな人は未熟な大人だと思い冷静に対処しましょう。
どんなに嫌な言い方をされても、相手が子供じみた人なら腹が立つことも少なくなります。未熟すぎて話にならないと、逆に相手を可哀想に思うくらいの余裕を持ってみましょう。
一旦は受け止める
引き合いに出して指摘される時、決して気分的によいものではありませんが、相手には何か伝えたいことがあるのでしょう。どのような表現でもフィードバックには違いありませんので、一旦は受け止めて自分自身を分析することもオススメです。
なぜそんな発言をするのか、相手の立場になると改善すべき点も見えてくるかもしれません。たまたま引き合いの対象があっただけで、大切なのは自分を振り返るチャンスにすることなのです。
意味を質問する
引き合いに出す人との会話は真意が掴めず、きちんと意見交換できない場合もありますよね。自分を攻撃しているのか、それとも引き合いの対象をアピールしているだけなのか。
対処に困った時は、逆に「なぜそんな風に比較をするの?」と聞いてください。人間は他者を評価する時に、何かと比較するのが根本的に好きなものです。
買い物も同じで、必ず似たものを比較してよいほうを選びますよね。引き合いに出す人も心理的にこれと同じで、違いを知ってほしい願望があります。
しかしそのような心の中まで、短い会話をするだけで理解するのは難しいので、誤解しないためにも言葉の意味を確認しておきましょう。
比較したがる人と上手く付き合うコツ
引き合いに出したがる人やライバル視する人と付き合うのは負担になりますが、コツを掴み相手の心理状況を考えると、よりよい関係に変化することもあります。
競い合って伸びる
比較しながら人を判断する人や、他人よりも優位にいたいタイプとは、お互いに競い合って伸ばし合うことも付き合い方のコツです。
比較する人は人間関係に対して刺激を求めていますので、上手に自分で受け止めてモチベーションにしてみましょう。
率直な意見を伝える
比較したがる人が何を求めているのか、他人には理解されないこともよくありますよね。誤解されやすいタイプであることは間違いありませんが、悪意があって引き合いに出すわけでもないようです。
もし傷ついた時は、率直な意見を相手に伝えること。嫌な思いを溜め込むと、相手のよさも見えなくなってしまいます。
自信をつけよう
比較されている、ライバル視されていると思うのは、自分に自信がないことも関係しています。そんな時は相手に勝てるように、自分を磨き上げていきましょう。
誰にも比較されないよう個性をアピールしたり、スキルを伸ばしたりしてくださいね。どのようなきっかけがあっても、自分を高めることはメリットになるはずです。
まとめ
引き合いに出す人は、心理的に相手を応援している意味もあるのでしょう。お互いに理解しながらよい関係を築くためにも、充実したコミュニケーションが鍵を握っています。
人それぞれ異なるスキルがあるので、比較したがるタイプは反面教師としてポジティブに受け止めることも必要なのでしょう。
☆こちらの弊社メディアのコラムも読んでみてくださいね!
コメント