昔のことばかり思い出すのは、心理的にどのような状況が関係しているのでしょうか。ふと昔のことを思い出す瞬間は誰にでもありますが、そんなことが連続すると現実とのギャップも気になってしまいますよね。そこで今回は、少し切ない気持ちになる、昔のことばかり思い出す際の心理について詳しくご解説していきましょう。
昔のことばかり思い出す心理について
子供時代の楽しい思い出、初恋の人との初めてのデートなど、昔のことばかり思い出すのは心理的に次のようなことが関係しています。
現在の自分に満足したい
昔のことばかり思い出すのは、心理的に現在の自分に満足したい思いがあるからです。昔と今の自分。何が変わったのか、どこが成長したのか確認作業をしているのと同じです。
他人から評価されない時など、自己判断したいために昔のことばかり思い出し、今のほうが自分は優れていると納得したいのでしょう。過去を振り返るのは、何かしらの気持ちの切り替えがしたい意味があります。戻れない昔を思い、今の自分があることに納得したいのです。
苦痛や苦悩を抱えている
昔のことばかり思い出すのは、心理的に今苦痛や苦悩を抱えているためで、現実逃避したい思いがあります。仕事で失敗した時に学生時代のアルバイトを思い出すなど、目の前で起こっていることを受け入れられない状態。
どこかに逃げたいと思っており、最も安心できる場所が昔のよい思い出だったのでしょう。昔のことばかり思い出すのは、居心地のよいところを探しているためなのです。
ストレスや不安など、ネガティブな感情を排除できるノスタルジックな気持ちは、自己防衛の機能かもしれません。
昔への憧れ
レトロなものが大切にされる今の時代、私たちも昔のことばかり思い出す心理が働くことはあるようです。自分が経験した嫌な出来事も、時間が過ぎるとほろ苦い思い出に変わっていきます。
そのような気持ちになるには時間を要することなので、今できないことが昔を思うことで達成できるのです。昔はよかった、若い時は楽しかったと口癖のように言うのは、過去の辛いことを乗り越えたとも解釈できますね。全ての思い出が美化されると、これから起こることも準備できるのでしょう。
他者とよい関係を築きたい
昔のことばかり思い出すのは、心理的に人間関係を改善したい願望が関係しています。友人付き合いでトラブルが生じていたり、恋人と別れ話が出ていたりする時期。
昔のことを思うとふわっとした優しい気持ちになるので、そのような精神レベルに自分を変えていきたいのでしょう。揺らぐ感情を安定させたい思いが昔へと戻りたくなるきっかけに。他者とよい関係を築くには、自分の心が平穏でなければいけません。そのために心を癒す時間として昔を思い出しています。
気分を高めたい
昔のことばかり思い出すノスタルジックな気持ちは、切なさと優しさが入り混じる複雑な感情。昔を思う行為は、現在から目を背けるようであまりポジティブに捉えない人もいます。
しかし昔を思い出すと、過去の楽しいことや素敵な思い出が蘇りストレス発散になることもあるのです。昔のカルチャーを考えると、意外と斬新で新鮮。そんな気持ちは、今塞ぎ込んでいる自分を勇気づけてくれるものに。
モチベーションを高めたい時に過去をふと思い出すと気持ちの整理がつくことはありますよね。
やり直したいことがある
昔のことばかり思い出すのは、心理的にやり直したいことや後悔の念があるためです。失敗した時、なぜそうなってしまったのか自分なりに原因を追究します。過去を振り返る行為は同じ間違いをしないため。
やり直したいことを見つけ、将来の自分に学習させたいのでしょう。たとえば恋愛。現在幸福でも、過去の苦い失恋を思い出して「あの時、こうしていれば…」と仮定します。その考え方は過去を変えることはできませんが、将来に役立つことはあるのです。
傷ついている
昔のことばかり思い出すのは、心が傷ついている可能性があります。現実世界に目を向けたくないためなのですが、昔に焦点を当てるのは子供時代に自分が守られて暮らしていた環境があるため。
その時代に戻り、誰かに優しく慰めてもらいたいのでしょう。思い出に浸ると現実の不安から解放され、思い出の中でセルフヒーリングができます。新たな気づきや、場合によっては自信を回復することもありますので、傷ついている時は無意識にプラスなものを探していることになります。
切なくなる理由について
昔のことばかり思い出すのは心理的な理由がありますが、思い出した時にどのような気持ちになるかは人それぞれです。昔を思うと切なくなるというのはよく聞かれる話ですが、なぜそのような思いになるのか理由をご紹介しましょう。
今得られないものがある
昔のことを思い出して切ない気持ちになるのは、昔できたことが今はできない、昔持っていたものが今はないという不満や喪失感のため。昔を思うと、よい思い出と悪い思い出が混在しているはずです。
どちらにしても今経験できないことが昔はたくさんあり、そんなことを考えるとふと切なくなってしまうのです。たとえば食べ物。子供時代に食べたお菓子が今は手に入らないという事実だけでも、大きなものを失った感覚になりますよね。昔はよかった…というのは、そんな喪失したものを知ってしまうからでしょう。
過去を変えられない辛さ
昔のことを思い出すと切なくなるのは、過去を変えられない辛さがあるためです。「あの時、片想いの人に告白していたら…」という状況は、現在結婚生活が上手くいっていない人にとって悔しいこと。
「あの時、仕事を辞めなければ…」という状況も、自分のキャリアが変わっていた可能性に。書き換えられない過去に意識を向けてしまうのは現実逃避しているからで、もう手遅れであることを知り余計に切なくなってしまいます。
無邪気だった自分がいる
昔を思い出すと切なくなるのは、現在とは違う無邪気な自分がいるため。大人になりさまざまなことを経験し、賢くなったつもりですが、昔の自分のほうが純粋で好奇心旺盛で頑張っていたように思うのです。
経験を重ねると人間は無茶をしなくなり、何でも無難なことを選びたくなりますよね。昔の自分は失敗を恐れず挑戦し、いきいきしていたような思いになるのです。
切ない時の対処方法について
昔のことばかり思い出して辛くなったり切なくなったりする時は、次の方法で気持ちを切り替えてみましょう。
経験を今に活かす
昔のことを思うと、現在不足するものが色々と見えてくるかもしれませんが、それはネガティブになっているサインです。今をより充実させるためにも、過去の経験を今に活かせないか考えてみましょう。
もし人間関係なら、しばらくぶりに昔の友人と連絡をとるなど、できることから始めるのも方法のひとつ。なぜ昔のことばかり思うのか、自己分析するよい機会になるでしょう。
楽しく思い出すこと
今が辛いと、無意識に美化した過去を思い出したくなります。そのような思い出し方を続けるとどんどん辛くなりますので、昔のことばかり思い出す時は、楽しく解釈してみましょう。
昔のほうがやる気があったと感じた時は、そのおかげで今の自分がいると理解してみるのです。
まとめ
昔のことばかり思い出すのは、心理的に昔にタイムスリップしたい理由があるのでしょう。将来を充実させるためにも過去を振り返ることは大事ですが、思い出した時に現在がとても豊かに感じるよう意識してみませんか。
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