自慢されると、心理的に相手にあまりよい思いを抱かないのはなぜでしょうか。いいなと思った素敵な人と話をしているうちに、期待したタイプではないとすぐに察知することがあります。その原因になるのは、過剰な自慢話。
しかし自慢は自分でしているつもりでなくても、相手の受け止め方次第でそう聞こえてしまうこともあり、どう相手の人柄を理解すればよいか困惑することもあります。
そこで今回は、自慢されると嫌になる心理背景や、承認欲求の強い人の対処についてご解説していきましょう。
自慢されると嫌になる心理背景について
恋愛、仕事仲間、友人など、あらゆる人間関係において自慢するタイプは、付き合い方が難しく感じられます。相手の性格を知ることも大切ですが、なぜ自慢話を聞かされる自分がネガティブな気持ちになってしまうのか、心理的に考えられる理由を見ていきましょう。
基本的に相手に興味がないため
自慢されると嫌になるのは、心理的にあまり興味がない話だったり、相手に興味を持っていなかったりすると考えられます。好きな人の話ならどんなに興味がなくても、ずっと表情を見ながら話を快く聞いていられますよね。
しかし相手とあまりよい関係がない場合や好きでない人だと、関心がないので話を聞く姿勢に熱が入らないのです。そのため面白い話をされても、なぜか自慢話をされているように解釈することもあるかもしれません。
人に対する印象は、相手から得るさまざまな情報が土台になって作られます。その時に思いや感情が被さると、自分の都合で相手を決めつけてしまうこともあるのです。
自慢話でないのに自慢に聞こえてしまう場合は、基本的に相手によい印象を抱かないようにと、自分をブロックしているためでしょう。
上から目線のようで嫌に感じる
たとえばお見合いパーティーで、自分の好みのタイプの人がいたとしましょう。とても話しやすくて色々な話題で盛り上がっているうちに、男性が自分の仕事や年収などについて自慢をし始めたらどう感じますか。
自慢をする人は、相手に何かをアピールしている意味があり、たとえ仕事や年収の話題だとしても、相手に本当に伝えたいことは「凄い自分」なのです。
相手の知らないことやわからない世界をアピールして、自分のほうがランクが上だと知ってもらいたいため。だからこそ聞かされる人は、自分を低く見ているように思う場面もあるかもしれません。
相手は異性に限らず、友人同士でもよく自慢話でうんざりすることがありますよね。自慢とはこちらがすでに知っている内容ではなく、相手としては驚かせる目的もあり、知らない自分を認めたくないのです。
自己開示ができない時は、普通の会話でも自慢されていると思うことがあり、他人の自慢話で自分の弱点を知ることもあります。
ライバル意識がある
仕事仲間が自分より先に昇格したり、上司に褒められたりする姿は、正直嬉しくはありません。「給料が上がった」と聞かされると、自慢されているようで面白くないですよね。
自慢されると嫌に思う心理は、ライバル意識が関係しているため。無意識のうちに相手と競争しているので、自慢に対して不快に思う自分にも気づきにくいでしょう。
たとえばデートの話で盛り上がる友人。自慢しているつもりはなく、ただ報告しているだけかもしれません。しかしライバル意識があると、些細なことでも相手に気持ちを刺激されて、とても不快に感じてしまうのです。
「わざと怒らせようとしてやっているのかも…」とネガティブな解釈をすることもあるでしょう。なんとかしてこちらも相手に、自分の実力を見せつけたいと思う気持ち。それがよい意味で、自分のモチベーションになれば素敵ですね。
しかしライバル意識は結果主義になってしまい、反発心につながってしまう可能性もあります。
自己承認欲求がある
自慢とは自分の価値観を相手に押しつけるようなことで、誰にでも自慢したい欲求は隠されています。身につけている洋服のブランドや、腕時計の値段を自慢する人、親が会社を経営しているなど、他人から「凄いね」と褒められたい願望があるのでしょう。
自慢されると嫌になるのは、心理的に相手と同じく承認欲求があると考えられます。自分を認めてほしいのに、相手が先に押しつけてくるため、欲求のぶつかり合いになっているのです。
他人の承認欲求はどう対処するべきか
自慢されると嫌に思う心理は、自分の解釈の仕方やその時の感情なども関係しています。しかし他人の承認欲求を目の前にすることはあちこちにありますので、そんな時の対処策についてご説明しましょう。
自慢をやめさせようと無理しない
承認欲求が強い人は、それが性格の一部になっているため、そう簡単に自慢話をやめることはないでしょう。相手に変わる気持ちがない限り、他人から色々と言っても気づいてくれることはありません。
自慢話は聞いているのが苦痛になるもの。しかしもっとストレスになるのは、何とかして自慢話をやめさせようという努力です。話の内容を思い出して嫌な気持ちになると、自分が損してしまうでしょう。
そんな時は、この人は「自慢話が好きなのだ」と納得して付き合ったほうが、気持ちは楽になるはずです。あまり相手の意図を考えすぎないことが、楽に対処するコツなのです。
負担になる時は距離を置く
「上司に任された仕事があって残業だ」など、大変そうに感じられる話題で、密かに自分の凄さを自慢することはよくあります。伝え方を変えれば他人が普通に聞ける話でも、自慢したがる人は「自分」を中心に置きたがるため、最終的に相手がどう反応するかを待っています。
承認欲求は自分の弱点を隠すことも要因のひとつといわれていますので、自慢話は評価されない自分を変えたい思いが隠されているのでしょう。
しかし他人を抑え込んでまで承認欲求をアピールしてくる人は、付き合っていてとても負担になります。その場合は少し距離を置いて付き合うことも、今後の関係にメリットがあるのではないでしょうか。
相手の気持ちを認めてあげる
自慢されると嫌に思う心理とは、相手が自分を大きく見せようと努力する姿に、現実とギャップがあるからではないでしょうか。
絶対に無理な人間像を目指して自分を作り出す人、自己顕示欲が強く相手の気持ちを理解しないタイプなど、自慢話をする人は色々です。
しかし他人に誤解されやすい自慢好きな人も、実は相手に存在を認めてもらいたい願望があるため。異性ならとくに自分の印象をよくしたいので、自慢話をしてしまうことがあります。
そんな場合は自慢も相手の好意のひとつと思い、興味を持ってあげることも必要かもしれません。
わざと褒める
他人の承認欲求は、何を求めているのかを明確にするのが難しいところ。ただ自慢したいだけなのか、励ましてもらいたいのか、相手の思いが見えないことがよくありますよね。
しかし共通するのは自慢話をして、相手から尊敬してもらったり褒めてもらったりしたい願望があること。相手から怒られるために自慢話をする人はほとんどいないはずです。
承認欲求が強いと思う相手がいたらわざと褒めてあげて、話題をそれとなく変えることも方法になります。自慢とわかる話題をいつまでも聞かされるのは、少し辛いですよね。
しかしはっきりと相手に「自慢はやめて」というのも困難。承認欲求が強い人は、ただ相手から「凄いね」の一言を聞きたいだけの場合もあるので、褒めればそれで自慢話が終わる可能性もあります。
まとめ
自慢されると嫌に思う心理は、誰にでも納得できる部分があるでしょう。自分から積極的にアピールしなくても、他人から絶賛されるような素敵な人間になることが理想です。
そのためには自慢話を上手に聞いて、相手が求めることを与えられるよう意識して付き合ってみてもよいかもしれません。
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